“喘息”というと、子供の病気のような印象がありますが、近年、大人になってから喘息を発症する人が増えています。「風邪薬を飲んでいるのに咳が治まらないな」と思っていたら、実は喘息にかかっていたということもあります。大人になってからの喘息は、子どもの喘息より治りにくいという特徴があります。今回は大人の喘息についてご紹介いたします。
◆◇喘息とは◇◆:気道の炎症が慢性化することにより発作につながる
「喘息」とは、気道に慢性的な炎症が起こり、気道が過敏になっている状態をいいます。子どもに多いという イメージがありますが、大人にも少なくなく、特に、60歳代、70歳代に多く見られます。発作が起こらない場合には喘息であることに気づきにくいため、実際の患者数は更に多いといわれています。
【喘息の発症メカニズム】
喘息の発作としては、「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴や激しい咳が出る、呼吸が苦しくなるといった症状が起こります。喘息の人の気管支をはじめとする気道の粘膜には、発作がおさまっている時でも炎症が起きているため、ちょっとした刺激で気管支を取り囲む筋肉が収縮し、空気の通り道が狭くなる「気道閉塞」が起こりやすい状態が続いています。
◆◇健康な状態の人と喘息患者の気管支の様子◇◆
気管支のもっとも細い部分は直径0.3mm。健康な状態の気道では、空気の通る内腔が広く保たれるが、喘息の患者さんの気道は気管支の粘膜層が厚くなり、痰も出てきて内腔が狭くなります。
【大人の喘息 発症要因】
大人になってから喘息を発症するケースでは、60歳以上の人が風邪をひいたことをきっかけに発症するケースが見られます。様々な風邪の症状が治まって3週間以上経過するのに、咳だけが続いているというような場合は注意が必要です。風邪をきっかけとして喘息を発症したとしても、風邪は要因の1つにしか過ぎず、他の要因が積み重なって喘息を発症することが分かっています。要因としては「アレルギー性」と「非アレルギー性」の2つに大きく分けられ、原因としては下表のとおりです。
【風邪の後の長引く咳。東洋医学ではこう診る!】
「風邪の後の長引く咳」で漢方薬が用いられることがあります。 漢方には「気・血・水」という3つの要素があり、これらのバランスが崩れることで、体に不調が現れると考えられています。風邪で長引く、特に乾いた咳では体から水分が奪われていると考えられることから、体の内側から水のバランスを整えて、気道を潤すことで 咳を出にくくします。漢方薬としては、麦門冬湯、麻杏甘石湯、五虎湯、小青竜湯などが使われます。
咳に効果がある生薬とは?
麦門冬:乾燥した組織をうるおす作用があるといわれています。「肺」をうるおして咳を鎮め、痰を改善させます。
五味子:体内に偏って滞留している「水」を拡散させる働きとともに、「肺」の機能を調整して咳や痰を鎮める働きがあります。滋養強壮作用もあり、疲労感があるときにも使われます。
人 参:消化機能を高め「気」の生成を増すことにより、体力を回復させる作用があります。このことから「補剤の王」と呼ばれています。
参考:漢方薬事典
◆◇日常生活の注意点◇◆
禁 煙:タバコは気道粘膜の炎症を悪化させるため、喘息の方は厳禁です。喫煙者がいる場合は副流煙に注意し、避けるようにしましょう。
風邪に注意:風邪をひいた後、咳のみが3週間以上続いた場合は、かかりつけ薬局や病院に相談されることをおすすめします。
ストレスをためない:ストレスによって自律神経のバランスが崩れると、体に様々な症状が現れます。これは喘息を悪化することにもつながります。 うまく発散して、ストレスに強い体作りをすることを心がけましょう。
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