女性を支配している女性ホルモンは、一生涯でたったティースプーン1杯しかつくられないと言われています。しかし、この1杯が、気持ちを安定させ、病気から体を守り、妊娠を可能にしています。そんな女性ホルモンのすばらしい働きについてご紹介いたします。
◆◇女性ホルモンとは◇◆
女性が妊娠、出産のできる身体をつくるために、脳が指令を出し卵巣でつくられるホルモン、特にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つのホルモンの総称。
参考:病気が見えるvol.9、MEDIC MEDIA
◆◇月経周期の変化における体と心の変化◇◆
・月経期:体がだるくて眠い時期。血行不良、肌荒れ、免疫力が低下する。
・卵胞期:前半:新陳代謝が良くなり、脂肪が燃焼されやすい時期。
精神的にも安定する。
・卵胞期:後半:排卵が近づくにつれて女性らしさが増し、肌の調子
が良くなる時期。精神的に前向きになる。
・黄体期:新陳代謝が悪くなり、便秘、むくみ、肌荒れ、精神的不安が
生じる時期。妊娠に備え、糖分や水分を溜め込みやすい。
◆◇女性ホルモンの働き◇◆
エストロゲン
・エストロゲンにはエストラジオール、エストロン、エストリオールの3種類がある。
エストラジオールが血中エストロゲンの主成分。
・女性らしい身体をつくり、子宮に作用し、妊娠に備えて子宮の内膜を厚くする。
・基礎体温を下げる。
・自律神経、感情に働きかける。
・骨量の維持、コラーゲンの合成促進、血管拡張作用、抗動脈硬化作用、皮脂腺の
分泌抑制作用、LDLコレステロールの低下作用、HDLコレステロールの増加作用など。
プロゲステロン
・妊娠を助けるホルモン。
・排卵の抑制。
・受精卵が子宮内膜に着床しやすい状態に整え、妊娠後は妊娠を維持させる働きをする。
・体内の水分を保持したり、食欲を増進させる働きがある。
参考:病気が見えるvol.9、MEDIC MEDIA
◆◇女性ホルモンの変化による体の症状◇◆
■月経前症候群(PMS症状)
【原因】
明確な原因はわかっていませんが考えられる要素が3つあります。
①エストロゲンとプロゲステロンの急激な変動
②エストロゲン減少による、セロトニン減少
③ビタミン、ミネラル不足
【症状】
・いらいら、怒りっぽい、抑うつ状態。
・乳房痛や頭痛、むくみ など。
・月経開始とともに症状が減退または消失する。
【対処方法】
①生活改善
食事:カルシウム、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンE、γリノール酸含有食品
水分・塩分摂取の制限
嗜好品:アルコール、カフェインの制限、禁煙
運動:有酸素運動
②低容量ピル:排卵を抑制する
■更年期障害
【原因と症状】
・閉経前後の女性(女性ホルモン低下)
・月経異常、のぼせ、発汗、抑うつ感、いらいら、不眠などの不定愁訴。
・各種検査で異常がない。
【対処方法】
①ホルモン療法
②漢方薬(桂枝茯苓丸、当帰芍薬散、加味逍遥散)
③生活改善:運動、食事、心のケア
※更年期障害の心身の40症状について、ホルモン療法と漢方薬の治療効果を検討して総合的な評価をまとめた研究で、漢方薬(加味逍遥散)には、ホルモン療法に匹敵する治療効果が報告されたデータもあります。
◆◇ホルモン元気のために!◇◆
女性ホルモン(エストロゲン)と大豆イソフラボンの構造は似ているので、エストロゲンの働きを助けてくれます。
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