日本人が悩む自覚症状では、男女とも「腰痛」が上位となっています(平成25年国民生活基礎調査)。坐骨神経痛は、腰痛や老化と密接な関係があります。
◆◇坐骨神経痛とは◇◆
脊椎には「脊柱管」があり、脊髄を取り囲むように守っています。脊髄神経の束(馬尾<ばび>神経)は左右に分岐し、分岐部分を「神経根」といいます。また、脊椎と脊椎の間には「椎間板」があり、体重を支えるクッションの役割をしています。坐骨神経痛の多くは、馬尾神経や神経根の圧迫が原因で発症します。
腰の背骨(腰椎、仙骨)から分岐した神経は、一つにまとまり、一本の太い「坐骨神経」になります。坐骨神経は、お尻からももの後側を通り、分岐しながら足先に向かいます。
「坐骨神経痛」は、坐骨神経が刺激されることにより起こる神経痛で、腰からお尻、もも、足首、足先などに痛みやしびれが起こります。
◆◇腰椎の構造◇◆
参考:目で見るからだのメカニズム
◆◇坐骨神経痛の原因◇◆
坐骨神経痛の原因のうち最も多いのが、「ヘルニア型」(腰椎椎間板ヘルニアによる)神経痛です。このタイプの神経痛は、腰に過度な負荷がかかった時、椎間板が脊柱管中に飛び出し、神経根を圧迫します。左右どちらかの足がしびれ、腰を前にかがめると痛みが増すのが特徴です。次に多いのが「狭窄型」(腰部脊椎狭窄症による)神経痛です。加齢により骨・靭帯などが変性・変形しズレが生じ、脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根を圧迫します。50歳以上に多く、腰を後に反らすと痛みが増すのが特徴です。その他、脊椎圧迫骨折や子宮内膜症でも坐骨神経痛が起こるので、原因を調べることが重要です。
【坐骨神経痛の対処法】
Step1:日常生活における自己管理(基本)
① 正しい姿勢
ヘルニア型は脊椎の自然なS字カーブを保った姿勢、狭窄型は、少し前かがみの楽な姿勢をとります。座りっぱなし、立ちっぱなしは、症状を悪化させるので控えましょう。
② 生活習慣の改善
肥満は背骨に負担がかかるので、食生活を改善しながら減量しましょう。喫煙は血管を収縮し、椎間板の弾力を失わせます。
③ 運動
適度な運動は、脊椎を支える筋肉や靭帯の緊張を緩和し、背骨を支える筋肉を強化する効果があります。強い痛みがある場合は無理な運動は控え、ある程度痛みが落ち着いてから、軽いストレッチや腰痛体操を始めましょう。
④ 寒さ対策、入浴、マッサージ
坐骨神経痛の方は、神経が刺激されているため、冷えに弱く、腰から足の血管が収縮し、筋肉が萎縮しています。衣類やカイロなどで寒さ対策を行い、入浴や足腰のマッサージで血行を改善し、神経や筋肉をほぐしましょう。
tep2:手術以外の治療(症状に応じ組合わせる)
① 理学療法・装備療法
理学療法は、赤外線、低周波電気刺激、牽引などがあます。装備療法は、コルセットを装着します。コルセットは筋力が低下するので、長期間の着用は控えましょう。
② 薬物療法
慢性的な痛みには、末梢循環改善薬、ビタミン剤、消炎鎮痛剤(外用)などが用いられます。痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤(内服)、末梢性神経障害性疼痛治療薬、筋弛緩薬が処方され、更にブロック注射(硬膜外ブロック、神経根ブロック)が試みられます。
☆飛び出した椎間板ヘルニアは、免疫細胞の働きにより、多くの場合、数ヵ月程度で縮小するという報告があります。あきらめず日常生活の自己管理を行いながら、治療に取り組みましょう。
参考:スーパー図解 坐骨神経
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