現在、国民の3割が何らかのアレルギー性疾患に罹患しているといわれており、これらの疾患はもはや国民病とさえいわれています。今回は特にアトピー性皮膚炎を中心にみていきましょう。
◆◇アトピー性皮膚炎とは◇◆
アトピー性皮膚炎は、皮膚に強いかゆみを伴う湿疹ができ、「よくなったり悪くなったり」を繰り返す慢性の皮膚疾患です。子どもに多く見られ、思春期を過ぎると軽快する傾向にあります(下グラフ参照)。大人の患者も少なくありませんが、そのほとんどは、子どものころに発症し、症状が続いているか、一度おさまったものが再発したものであると考えられています。
症状:症状は多様で個人差があります。急性期の湿疹では、赤く腫れ、盛り上がりのある丘疹ができたり、じくじくしたり、皮がむけてかさぶたになったりします。湿疹が長く続くと、皮膚が厚くごわごわになる苔癬化(たいせんか)が起きたり、硬いしこりができたりします。
部位:顔、耳や首回り、わきの下、肘の内側や外側、太ももの付け根、膝の表側や裏側などに多く見られます。いずれの場合も、湿疹は体の左右に対称に現れます。
参考:きょうの健康 2014.6
◆◇皮膚の状態◇◆
健康な皮膚:皮膚の外側は、角質層で覆われています。健康な皮膚の角質層では、多くの細胞が層状に並び、皮膚を守る「バリア膜」を作っています。このバリア膜が、体内の水分が外に逃げるのを防ぎ、皮膚の潤いを保ちます。同時に様々な刺激物が皮膚の内部に侵入するのを防いでいます。
アトピー性皮膚炎の皮膚:遺伝的な体質により、皮膚のバリア膜が乱れて皮膚が乾燥しやすい状態になっています。そのため、夏によくかく汗や春の花粉やほこり等、様々な刺激物が入りやすく、炎症が起こりやすくなっています。このように、バリア膜の働きが弱くなることにより、湿疹ができて強いかゆみが生じます。
◆◇正しいケア方法とは◇◆
☆入浴のポイント
①石鹸をよく泡だて、なでるように洗う。
②炎症や傷がある部位も優しく洗う。
③肌をこすらずタオルで押さえるように拭く。
☆保湿外用薬の塗り方のポイント
①入浴後は短時間で皮膚の水分が逃げてしまうので入浴後5分以内に塗る。
②全身の乾燥部位にたっぷり塗る。
③何回塗ってもかまわないので皮膚が乾燥してきたと感じたら塗る。
☆ステロイド外用薬の塗り方のポイント
①保湿外用薬を塗った後に塗る。
②大人の人指し指の先から第1関節まで出し、手のひら2枚分に伸ばして、しわの方向と平行に塗る。
☆食事でのポイント
①アトピー性皮膚炎の原因となる食べ物、食品添加物は避ける。
②腸内環境を整える働きのある食物繊維や、乳酸菌を積極的に摂り、善玉菌を増やす。
③抗ストレス作用のあるビタミンC、皮膚の健康を保つビタミンB群を含む食品を積極的に摂る。
④皮膚、粘膜を丈夫にする作用があるカルシウムを含む食品を摂る。
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