肩こりは、人間が2本足で直立するようになったことによる代償というべき症状です。筋肉疲労などによる首肩部の血行不良が主たる原因ですが、他の病気の随伴症状として現れる場合もあり、注意が必要です。
◆◇肩こりについて◆◇
首筋から肩・腕にかけての異常(こり・痛み・しびれなど)を主訴とする一連の症状を「頸肩腕(けいけんわん)症候群」といい、軽症の場合を「肩こり」といいます。ひどくなると、頭痛や吐き気を伴う場合もあります。厚生労働省の平成25年度国民生活基礎調査によれば、「肩こり」は、女性が訴える症状1位、男性の場合は「腰痛」に次いで2位です。年齢別では30歳代から70歳代が多く、ピークは60~64歳です。(下図)
◆◇肩こりの原因◆◇
肩こりの主な原因は、首肩部の血行不良です。血行不良になると、疲労物質の排泄がうまくいかず、発痛物質により筋緊張が亢進し、さらに血行不良となり悪循環を繰り返します。血行不良は、運動不足、悪い姿勢、冷え、衣類による圧迫のほか、精神的ストレス(精神の緊張)、更年期障害(ホルモンバランスのくずれ)でも起こります。また、病気が原因で起こる肩こりもありますので、注意が必要です。
◆◇病気が原因で起こる肩こり◆◇
・背骨・関節の病気;
①肩関節周囲炎:肩関節に炎症が起こり、肩を動かせる範囲が狭くなり、突然痛みが現れます。四十肩・五十肩ともいいます。
②胸郭(きょうかく)出口症候群:第一肋骨と鎖骨の間、肋骨と小胸筋の間の隙間が狭くなり、そこを通る血管と神経の束が圧迫されて起こる病気です。(下図)
③変形性頚椎(けいつい)症:頚椎の椎間板が薄くなり、頚椎が変形する病気です
④頸部椎間板ヘルニア:椎間板の髄核が飛び出し、神経根を圧迫する病気です。
・内臓の病気;
心臓疾患、肝障害、胃腸障害、肺疾患
・歯の病気;
虫歯、噛み合わせの不全、歯周病など
・眼の病気;
眼精疲労、その他眼の疾患
・心の病気;
うつ病、精神的ストレス
◆◇肩こり解消法◆◇
温熱療法
蒸しタオル、カイロ、熱めのシャワーで肩を温めます。低温やけどにならないよう、長時間の使用や温度には十分注意してください。
首のストレッチ
①頭を前後に倒す
後頭部に手をあて頭を前にゆっくり倒します。次にあごを上に押しながら頭を後方にゆっくり倒します。
②頭を横、斜めに倒す
頭の右横に手をあて、頭を左にゆっくり倒します。次に頭の左横に手をあて、頭を右にゆっくり倒します。同様に、頭を左右斜め前にも倒します。
③頭を左右にひねる
頭をまっすぐ起こし、右ほほに手をあて、頭を左にゆっくり回します。次に左ほほに手をあて、頭を右にゆっくり回します。
肩こりのツボ・マッサージ
①風池(ふうち):首の後ろの「ぼんのくぼ」外側付近
②天柱(てんちゅう):風池の斜め下方
③肩井(けんせい):肩甲骨の内側の縁の上、肩先
④臑愈(じゅゆ):肩甲骨の外側より少し下
⑤附分(ふぶん):肩甲骨の内側の縁の上端
⑥曲池(きょくち):ひじ関節の親指側わき
⑦小海(しょうかい):ひじ関節の小指側のわき
⑧合谷(ごうこく):親指と人差指の骨の付け根の間、やや人差指側
⑨頸頂点(けいちょうてん):人差指と中指の付け根の中央の関節
【ツボを押すときの呼吸・リズム】
ツボを押すときには呼吸も大切です。息を吐くときに筋肉は緩むので、ゆっくりと息を吐きながらツボを押し、ゆっくりと息を吸いながら離すようにしましょう。力をいれる長さは、1回3~5秒が適当です。この押すー離すのサイクルを5~10回を目安に繰り返します。押す力が強すぎたり、長すぎると経絡が圧迫されて、逆に流れが悪くなる事があります。ご自身の体調に合わせ適宜調節しましょう。
(参考:「スーパー図解 くび・肩・背中の痛み」/法研、よくわかる東洋医学/池田書店)
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