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あなたの鼻、元気ですか?

今年は東日本を中心にスギ花粉の飛散量がきわめて多く、辛い鼻水・鼻づまりに悩まされた方も多かったのではないでしょうか。普段は存在を意識していませんが、トラブルがあると急に不便を感じるのが鼻です。今回は縁の下の力持ち、鼻の働きについての健康情報をお届けします。

 

◆◇鼻の働き◆◇

 

鼻の働きは大きく分けて二つあります。吸気の空調と嗅覚です。ヒトの鼻の中には三層の大きなひだ(鼻甲介)と周囲に広がる空洞(副鼻腔)があって広い空間となっています。この空洞の表面は鼻粘膜で覆われており、この粘膜が空気中を漂う細菌などの異物を除去し、適切な湿り気を与えます。

 

花粉の時期に鼻がつまったり鼻水に悩まされるのは、体が花粉を病原体と勘違いし、鼻粘膜(鼻水)の分泌量を増やしたり、ひだを膨らませて(鼻づまり)、異物をくっつけやすくし、血流を増やして免疫細胞が鼻に集まりやすくした結果です。つまり鼻の症状は鼻が懸命に働いている証拠です。

 

とはいえ花粉症の症状はつらいものです。以前は花粉症のお薬は症状が出る前から服用しないと効かないと言われましたが、最近のお薬は症状が出た後でも有効です。専門家に相談し、ご自分に合ったお薬を見つけてください。

 

◆◇口呼吸と鼻呼吸◆◇

 

長いマスク生活のせいで、息苦しさからいつのまにか口呼吸が習慣になっていませんか。哺乳類の中で普段から口呼吸できるのはヒトだけであり、これによって高度な言語能力を獲得したと考えられていますが、口はもともと食事のためのもので、呼吸のための器官ではありません。ですので、口呼吸で取り込んだ空気は、鼻呼吸に比べて十分に空調できません。

 

口呼吸には、風邪などの感染症にかかりやすくなる、喉の乾燥や炎症の原因となる、睡眠の質が低下する、歯列の歪みや口臭の原因になる可能性があるといった、健康面で好ましくない影響があります。また、口呼吸は歯周病を悪化させる要因1)でもあります。

 

マスクをしていて初めてご自分の口臭に気が付いたという方は、意外と多いのではないでしょうか。ようやくマスクを外して生活できる日常が戻ってきたのですから、「鼻から吸っているかどうか」を意識してみて下さい。

 

◆◇匂いが分からなくなるのはなぜ◆◇

 

鼻のもう一つの働きは「嗅覚」、つまりにおいを感知することです。鼻腔には、においを感知する細胞があり、空気中の化学物質に反応すると、その刺激が鼻腔上部の嗅球(きゅうきゅう)に伝えられ、においとして認識されます。脳は嗅球からのにおい情報を解釈し、その種類や強さなどを判断します。

 

嗅覚は感染症やアレルギーといった疾患によって障害をうけます。岸田首相が慢性副鼻腔炎の手術を受嗅覚は、五感の中で最も強く記憶や感情と結びついています。例えば、太陽を浴びた布団のにおい、花火の煙の匂いから、あなたは何を感じますか?香りは、特定の場面や体験を思い出させると同時に、時に情動的な反応を呼び起こします。感情や記憶の一番そばにある五感が嗅覚であり、このことは嗅覚が様々な脳の部位と結びついていることを示しています。つまり、においには脳に働きかける力があります。けたことが報じられましたが、この疾患で鼻腔の中にポリープができるとにおいが届きにくくなり、嗅覚が衰える原因になります。嗅覚障害があると食事の味が薄く感じられるため、食欲不振や栄養不良につながることがあります。また、ガス漏れや火災など周囲にある危険な状況に気づかないことがあります。

 

◆◇鼻の健康は頭の健康!?◆◇

 

嗅覚は、五感の中で最も強く記憶や感情と結びついています。例えば、太陽を浴びた布団のにおい、花火の煙の匂いから、あなたは何を感じますか?香りは、特定の場面や体験を思い出させると同時に、時に情動的な反応を呼び起こします。感情や記憶の一番そばにある五感が嗅覚であり、このことは嗅覚が様々な脳の部位と結びついていることを示しています。つまり、においには脳に働きかける力があります。

 

嗅覚は加齢によっても自然に衰えてきますが、近年、サルコペニア(筋肉の衰えによる身体機能の低下)2)やアルツハイマー型認知症3)といった、いわば“老化が早く進みすぎる疾患”の患者様では、嗅覚の低下を伴う場合が多いことが判ってきています。 サルコペニアについては嗅覚の衰えによる食事量の低下と関連があり、認知症では病気の進行によって早くから障害を受ける脳の部位(海馬)が、香りと記憶の関連付けを司っているからであると考えられています。

 

 

 

これらの疾患では、嗅覚障害は発症に先立って現れます。特に認知症では90%以上の方が症状の初期段階で嗅覚障害を示すとの報告があり4)、嗅覚検査が認知症の早期発見につながる可能性が期待されています。また、嗅覚を刺激する、つまり様々の香りを嗅ぐことで認知症の進行を遅らせることができそうだ5)といったことも分かりつつあります。

 

嗅覚は聴覚や視覚に比べると軽視されがちですが、特に高齢者の健康と密接なつながりがあることが次第に明らかになっています。しっかり鼻呼吸して、においを感じる毎日を送りましょう!

 

参考)
1)日本歯周病学会ホームページ 歯周病Q&A
2)日耳鼻 2022;125:112-120
3)Geriatr Gerontol Int 2021; 21: 291–298.
4)長寿医療研究開発費 2019 年度 研究報告書19_30(ncgg.go.jp)
5)認知症ネット https://info.ninchisho.net/archives/9404

 

 

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