かぜ症候群は鼻腔や咽頭などの上気道粘膜の炎症性疾患の総称で、鼻水や咳などの局部症状のほか、発熱や頭痛などの全身症状を伴うこともあります。
◇◆かぜの原因
●風の原因となる微生物はウイルスが大部分で、全体の80~90%をしめます。残りは一般細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどです。
タイプ |
主な原因ウイルス |
特徴 |
主な症状 |
普通感冒 | ・ライノウイルス・コロナウイルス | →秋と春に多い →冬に多い |
・鼻汁 ・鼻閉 ・くしゃみ |
インフルエンザ | ・インフルエンザウイルス | 冬~春先に多い | ・発熱 ・頭痛 ・筋肉痛 ・全身倦怠感 |
咽頭炎症候群 | ・パラインフルエンザウイルス・アデノウイルス | ・咽頭痛 ・発熱 |
|
咽頭結膜炎(プール熱) | ・アデノウイルス | 小児に好発 →夏に多い |
・発熱 ・咽頭炎 ・結膜炎 |
ヘルパンギーナ | ・コクサッキーウイルスA群、B群・エコーウイルス | 幼児に好発 →夏に多い |
・咽頭痛 ・咽頭粘膜の小水疱・潰瘍 |
クループ | ・パラインフルエンザウイルス・RSウイルス・アデノウイルス | 幼児~小児に好発→冬に多い | 咽頭部の狭窄 ・吸引性喘鳴 ・犬吠様咳嗽 ・嗄声 |
●ウイルスには季節的流行の特徴があり、ライノウイルスは春と秋、コロナウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスは冬に多い傾向があります。
●アデノウイルスやエコーウイルス、コクサッキーウイルスは小児の夏かぜの代表的な症候である咽頭結膜熱(プール熱)、ヘルパンギーナ、手足口病なとを発症します。
●かぜに似た症状があり、特に鑑別が必要な疾患として、風疹(風疹ウイルス、三日ばしか)、麻疹(麻疹ウイルス、はしか)、水痘(水痘帯状疱疹ウイルス、キス病)、肺炎(最近性、死因の第三位)、肺結核(結核菌)、猩紅熱(溶連菌)、ステイーブン・ジョンソン症候群(重症多形滲出性紅斑)、膠原病(自己免疫疾患)などがあります。
◆◇インフルエンザ
l インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症で、かぜ症候群の中では最も症状が重く、時として世界的大流行(パンデミック)を起こします。
l インフルエンザウイルスは、3つの型(A,B,C)があり、特にA型は毒性が強く、注意が必要です。
l 冬から春先にかけて流行し、発熱(38℃以上)、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感が急速に現れます。
l インフルエンザは、特に小児の罹患率が高く、死亡率は高齢者で高くなります。
l インフルエンザの合併症は、小児ではインフルエンザ脳症、高齢者では肺炎があり、特に注意が必要です。
◆◇かぜをひいてしまったら
ウイルス性のかぜ症候群であれば、通常は安静、水分・栄養補給により、1週間以内に自然に治癒します。抗菌薬も一般的には不要なことが多く、解熱剤も適宜に使用する程度でよいと思われます。
ただし、次の場合は医師の診療を受ける必要があります。
●38℃以上の高熱 ●色のついた痰や鼻汁
●激しい喉の痛み・喉の腫脹 ●激しい咳、喘声、呼吸困難
●発疹、舌の異常 ●妊婦
●慢性呼吸器疾患、心疾患、糖尿病などの基礎疾患保有者
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