膀胱炎

最近、トイレが近くなった、排尿しているときに痛みがある、そんな症状ありませんか？今回は、多くの女性が経験する膀胱炎についてご紹介します。

◆◇膀胱炎とは？
膀胱炎は尿路感染症（腎臓から尿道に至る尿路の感染症）の一種です。尿道から膀胱に大腸菌などの細菌が入って増殖し、膀胱の粘膜が炎症を起こします。

◆◇どんな人が膀胱炎になりやすい？
ほとんどが女性です。これは女性の尿道が男性に比べて短く、尿道口の近くに肛門があるという構造をしているからです。一方、50歳を過ぎると前立腺肥大や腎臓結石などの疾患の増加に伴い、男性でも尿路感染症(尿道炎や膀胱炎など)を発症する人が増加します。

◆◇膀胱炎の症状は？

◎初期に現れやすい症状
□　頻尿　□　排尿時の痛み　□　尿の濁り
◎他の症状
□　尿意切迫感　□　残尿感　□　血尿
膀胱の炎症のため、下腹部にひきつるような痛みが生じます。特に排尿の終わりに激しく痛みます。膀胱が過敏になり、尿が少ししか溜まっていないのに尿意の信号が出るため、頻尿が起こったり、突然尿意を催して我慢できなくなります。
さらに、白血球が混じって尿が白く濁り、炎症がひどくなると血液の混じった尿が出ることもあります。また、細菌が増えると尿の臭いが強くなります。

◆◇膀胱炎予防、解消のための日常生活のポイントは？
◇尿量や排泄回数を増やす
膀胱に尿が長く留まると細菌が繁殖しやすくなります。水分を多くとって尿を出し、膀胱内の細菌を洗い流しましょう。
◇下腹部を冷やさない
尿意が強くなり、膀胱炎の症状が悪化することがあります。ひざ掛けやカイロなどを利用しましょう。
◇便秘をしない
腸内で大腸菌が繁殖し、尿道に侵入しやすくなります。
◇尿道口付近を清潔に保つ
肛門の大腸菌が尿道に入るのを防ぐため、前から後ろに拭きましょう。生理用品などは、こまめな交換が必要です。

●○ちょっと違う膀胱炎　『間質性膀胱炎』
通常、膀胱炎というと細菌性の膀胱炎を指しますが、最近、間質性膀胱炎が注目を浴びています。原因不明の炎症が生じて、膀胱の知覚が亢進して過敏になり、頻尿や痛みなどの症状が起こります。さらに病状が悪化すると膀胱が萎縮していきます。日本では約20～40万人の患者がいると推計されています。

◇間質性膀胱炎の特徴◇
蓄尿時膀胱痛
●細菌性の膀胱炎の場合は、排尿時に特に痛みます。
●抗菌剤を服用しても症状が改善しない
●○間質性膀胱炎の方の日常でのポイントは？
○膀胱訓練；膀胱が徐々に萎縮するため、トイレを我慢して膀胱の容積を広げます。
○食事療法；頻尿や膀胱痛を悪化させるような食べ物を避けます。一般に酸っぱいものや辛いものに注意が必要です。ただし、この食品は個人差があるので、可能性のある食品を１つずつ試してみます。症状に影響する場合は、大抵6～12時間の間に症状がでます。

(例)トマト、柑橘類、酢、アルコール飲料、香辛料
○適度な水分摂取；水分摂取を控えすぎて尿が濃くなると、膀胱にしみて痛みが出ることもあります。