胃腸のトラブル！

冬、お坊さんも走り回るほど忙しいと言われる年末から年始にかけては、胃腸のトラブルに悩まされる方も多いと考えられます。今回は、この季節に気をつけたい胃腸のトラブルについて見ていきましょう！
気をつけたい胃腸の病気とその原因

胃もたれ
胃の運動能力が弱まり、食べ物が十二指腸へなかなか送られずに、胃粘膜を刺激し続けると起きます。ストレスや飲酒、喫煙の他に、脂肪の多い食事や香辛料の摂り過ぎが原因です。
胸焼け
胸骨の後ろや上腹部に感じる灼熱感をいい、痛みを伴うものから不快感を感じるものまで症状は様々です。食べ過ぎや加齢によって胃酸が逆流し、食道の粘膜を荒らしてしまうことが原因です。
胃痛
胃の粘膜が胃酸で荒れてしまうと痛みが出てきます。食べ過ぎで胃液が大量に分泌される、ストレスで胃酸から粘膜を防御する力が弱まるなどが原因です。
～胃食道逆流症とは？～
近年、胸焼けなどの症状が出ていても、内視鏡検査では食道の粘膜に傷が見られない患者さんが増えています。そのため、粘膜の傷の有無に関係なく、胃液が逆流することで生じる病状は、『胃食道逆流症』としてまとめて捉えられるようになってきました。週に１～２回以上、胸焼けや口の中が酸っぱいと感じたら、医師の診察を受けた方が良いでしょう。
下痢
腸粘膜が傷つくと、下痢になることがあります。高濃度のアルコールを飲み過ぎることに加えて、ストレスによる『過敏性腸症候群』なども原因です。
便秘
腸の動きが落ちると便秘になってしまいます。栄養バランスが取れていない食事（特に食物繊維の少ない食事）や、不規則な食事時間、ストレスが重なるといったことが原因です。

対策の一例・・・

まずは食生活など日常生活から見直していき、もし改善しなければ、胃腸機能を改善する漢方薬がオススメです。

六君子湯・・・胃もたれ、食欲不振に
平胃散・・・飲み過ぎ、ストレスが原因の胃もたれに
補中益気湯・・・体力がない人の食欲不振に
真武湯・・・高齢、冷えによる下痢に
半夏瀉心湯・・・実証でおなかがゴロゴロする方の下痢に

日常生活のポイント
１、腹八分目
２、よく噛み、ゆっくりと食べる
３、食べてすぐ横にならない（寝ない）
４、逆流を起こしやすい食べ物を摂り過ぎない
（例えばチョコレートなど甘いものや肉類など脂肪の多いもの）

ストレスは胃腸の大敵！
今回紹介した病気も含め、胃腸の病気はストレスが原因で生じるものが多いという特徴があります。胃腸の動きは、大脳の視床下部から自律神経を介して調節が行われます。ところが、ストレスがかかると視床下部から適切な命令が来なくなり胃腸がうまく働けなくなってしまうため、種々の病気へと繋がることがあります。普段からストレスの解消を図ったり、少々のストレスに負けないような体作りをしましょう！