私たちの日常生活には、心を悩ませるストレスの種は尽きませんね。
このストレスという言葉を医学用語として広めたのは、ハンガリーの科学者ハンス・セリエです。もともとは、物理学の世界で使われていた言葉です。ちょうどゴムボールを指で押すと、ボールはへこみ、歪みますが、そのへこみや歪みをもたらす圧力をストレスと呼んでいました。
ハンス・セリエは、私たち人間も外界からの圧力が加わるとこのゴムボールと同じように、心や体の機能に歪みが生じると考え、外界からの圧力をストレスと呼んだのです。
また、ゴムボールには外部からの圧力に対抗して歪みを元にもどそうとする力があるように、私たちの体にも、ストレスのかかった心や体を正常な状態にもどそうとする働きがあると考えました。この働きを、ハーバード大学の生理学の教授であったキャノンは、生体のホメオスタシス (恒常性)という言葉で表現しました。
しかし、私たち人間に降りかかるストレスは、ゴムボールでの例えのように単純ではありませんね。
不快な温度や湿度、騒音、肉体疲労、睡眠不足などは肉体的なストレスになりますし、親しい人との死別や離婚、社会の不況や仕事上のプレッシャーなどの精神的なストレスもあります。そして、これらは混じりあい互いに影響しあって私たちに降りかかってきますが、最近では精神的な圧力の方を「ストレス」と呼ぶ場合が多くなっています。
私たちは普段、心を悩ませる精神的なストレスはできるだけ避けて通りたいと考えています。事実、精神的ストレスがかかると、心や体を正常な状態に戻そうとする働き(ホメオスタシス)にかなりのエネルギーが必要になります。
また、長くストレスが続くと血管を傷つけて高血圧や脳卒中、心筋梗塞などのきっかけになりますし、感染症やガンなどに対する免疫力を弱めてしまうことも分かっています。
では、ストレス反応自体は、本当に悪い働きだけなのでしょうか?
精神的ストレスはまず脳で受けとめられ、過去の記憶と照らし合わされて、今起きていることが自分にとって危険なことかどうか判断されます。そして危険と判断されればストレス反応が起きてくるわけです。
つまり、ストレス反応は体の防衛反応でもあるのです。この反応が上手く働かないと、私たちは危険な目にさらされても対応が遅れて、場合によっては命を落とすことにもなりかねません。
従って、ストレス反応は悪い面ばかりではなく、その警告のサインをどう受けとめて、つき合っていくかが大切になってきます。
例えば仕事上のプレッシャーであれば、早めにその仕事への準備をしておくと随分とそのストレスは軽くなりますよね。また、同じ心の悩みでも、夜に考えると悶々として眠られないような内容が、天気のよい昼間に考えてみると案外軽く感じた経験をお持ちの方も多いかと思います。これは、精神的ストレスが昼間の爽快な体調により緩和されたケースと言えるでしょう。
精神的ストレスがたまっているなと感じたら、体に心地のよい軽い運度や散歩などを行い、肉体の側からの手助けを心がけるのも方法です
それでも、心も体も疲れてストレスに押しつぶされそうな時があるものです。そんな時は仕事がたまっていても、「今やる仕事は休むことだ」というくらいに気持ちを切り替えて、早めに休むことも必要です。「今は頑張らないで・・」という体からの大切なサインと思ってください。
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