現在、日本人の5人に1人が糖尿病もしくは糖尿病の予備軍であるといわれています。日本人は糖尿病になりやすい遺伝的素因があり、過食、運動不足、肥満などの不適切な生活習慣が重なることで発症します。糖尿病の理解を深め、予防や進行の抑制に役立てましょう。
◆◇糖尿病とは?◆◇
糖尿病は血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が常に高い状態の病気です。
食事として摂取・分解されたブドウ糖は、小腸で吸収され血液によって全身に運ばれます。血液中のブドウ糖は、膵臓から分泌されるホルモン「インスリン」によって、肝臓や筋肉、脂肪組織に取り込まれます。健康な方は、インスリンによるブドウ糖の調節が十分にできているため、血糖値はほぼ一定に保たれますが、糖尿病の方は、インスリンが十分に働かないため血糖値が高い状態が続いてしまいます。
高血糖状態が続くと、微小血管の障害によって起こる三大合併症‐網膜症、腎症、神経障害‐や、大血管の障害によって起こる脳梗塞、虚血性心疾患が生じる危険性が高まります。
◆◇インスリンの作用が低下する原因◆◇
①インスリンの分泌量の低下:膵臓からインスリンの分泌量が減少することで起こります。遺伝的な体質が関係しています。
②インスリン抵抗性:インスリンは分泌されているのですが、肝臓や筋肉などの細胞へのインスリンの働きが低下している状態です。肥満による「内臓脂肪」が関係しており、脂肪細胞からインスリンの働きを悪くする物質が多く分泌されている事が原因となります。
◆◇糖尿病に負けない生活習慣!◆◇
糖尿病の発症には、食べ過ぎや不規則な食事、運動不足、肥満、体質などが関係しています。生活習慣を見直して、糖尿病予防や進行の抑制につなげましょう。
◆◇糖尿病の診断基準と目標◆◇
主に血液検査で「空腹時血糖値」や「随時血糖値」、「HbA1c」などを調べて診断します。これ以外に、「ブドウ糖負荷試験」という検査もあります。これら検査のうち2つ以上で基準を超えると糖尿病と診断されます。
BMIと糖尿病の関係
肥満と糖尿病は関連があることが確認されています。そこで、BMI(Body Mass Index:体脂肪量と相関する肥満指数)を測定し、意識することで早期から糖尿病予防を心がけましょう。
BMI:25 を超えると、糖尿病や高血圧、脂質異常症(高脂血症)など、生活習慣病が起きやすくなります。最近の研究では BMI が 27で、糖尿病になる危険率が2倍になることがわかりました。理想の数値BMI:22を目指しましょう!
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは
赤血球のヘモグロビンに糖が結合したものです。本来、ヘモグロビンは、酸素と結合して血液中を流れ、酸素を必要とするところに届けるという役割がありますが、血液中に糖がたくさんあると、酸素と同じように糖もヘモグロビンと結合するようになります。しかも、糖とヘモグロビンは一度結合すると、離れることがありません。従って、赤血球の寿命が約120日であることから、過去1~2ヶ月の平均的血糖値の指標になります。
◆◇お勧めの食事療法◆◇
・血糖値を上げやすい食べ物に注意;
ご飯、パン、清涼飲料水、果物、アルコール、揚げ物などの食べすぎに注意しましょう。
・間食や夜食は控える;
夜食をとると、夜はあまり体を動かさないので、翌朝まで血糖値の高い状態が続いてしまいます。
・食物繊維を積極的に摂る;
食物繊維はブドウ糖の吸収を遅らせて、急激な血糖値の上昇を抑えます。食物繊維の多い野菜などを1日300g以上摂りましょう。
食事は、下のグラフの割合で三大栄養素を摂るようにしましょう!
運動の目安
・有酸素運動は15~30分を目安に1日2回行い、週に3日以上、できれば毎日行いましょう。
・食後の血糖値は1時間~1時間30分後にピークに達するので、食事開始1~2時間後に行うと効果的です。
時間がとれない方は下記のような工夫をしてみましょう。
・通勤電車の1駅分を歩く
・階段を中心に使う など
毎日の生活に上手に運動を取り入れましょう!
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